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夏までもたない

実習でお世話した森のくまさんが訪ねてきました、2nd。
「あら~お久しぶり!頑張ってる?」
『あ、はい。頑張ってます』

・・・ヨシヨシ!クマ吉の時と違って大丈夫そうだな・・・
(クマ吉に関しては5/12の記事をご参照ください)

ribon1.gif

『でも、夏まではもたないかもしれません』
えっ!?・・・夏まで、もたない・・・とは???

★  ★  ★

彼女(クマ恵)は外科病棟に就職した森のくまさんです。
実習の時、外科病棟は厳しかったけれど、一番学べたという思いがあり
あえて厳しさを覚悟で、外科病棟に就職しました。
その志と根性は天晴れです!

「今日はココに何しにきたの?」
『あ、調べモノしようと思ってきたんです。課題が出ていて・・・』
「そうなんだ。すごい熱心だね」
『いや~調べても調べても調べきれないですよぉ』
「頑張ってるじゃない。どうよ。病棟大変?プリは怖い(笑)?」
『病棟はやっぱりすごい忙しいです。プリは・・・すっごい怖いです!』
「何?そんなに怖い人に当たっちゃったんだ」
『突っこまれまくりです。毎日泣いてます。昨日も泣きましたよ~』
「そっか~。そりゃあ大変だ。辛いねぇ・・・」
『なんか、怒られてばっかりで。それでも先月までは頑張ってたんです。
でも家に帰って泣くことが増えて、休みの日もベッドから動けなくて
天井を見ながら涙が溢れてきて、そのまま天井をジッと見てて・・・』
「何それ!ヤバイじゃない!ココロが非常事態宣言じゃないの」
『ですよね。自分でもなんか集中力も散漫な感じで・・・マズイなって』

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・・・それはヤバイですよね。ココロの悲鳴でしょう。
クマ恵さんは課題を調べにきたと言っていたんですが
邪魔して、あえていろいろ聞いてみました。

「だから”夏まではもたないかもしれない”ってわけだ」
『・・・はい。頑張りたいとは思っているんですけど・・・辛いです』
「そっか。それはプリのせいなのかしら?」
『すごくできる人なんですよ。だからいっぱい突っこまれる』
「突っこまれるのが辛いの?そんなに怖い言い方されちゃうの?」
『言い方は全然怖くないです。でも厳しいんですよ』
「厳しい?わけもわからず怒られちゃうとか?」
『いや、一回聞いたことをもう一回聞いたりすると
”それ、この間言ったけど忘れたの?”とか”分からない薬は使うな”とか』
「そうか。きっちりしている人なんだね」
『はい。この間も調べていかなくちゃいけない検査がたくさんあって
1つだけ調べられなかったんですけど、”なんで調べてこないの”って』

minins95.gif

・・・いや、それ、当たり前のことじゃないかな?
そう思ったのですが、森のくまさんにとっては、きっと当たり前ではないのでしょう。
ましてや心が非常事態宣言のクマ恵にしてみれば
もうそれを当たり前だと判断できる余裕がないのかもしれません。
グッとこらえて、お話を聞き続けてみました。

「そうか。プリはきっとすごくできる人だから、求めるものが大きいんだね。
クマ恵ならやれるって思うから、余計いろいろ言うのかもね」
『もう1人の同期の子は日勤で18時くらいになると帰るんですよ。
でも私は、いろいろ調べたり先輩のダブルチェックを手伝ったりしていて
結局、昨日だって帰ったのが21時だったんです』
「21時か。そりゃ次の日が日勤だったら何もできないね」
『なんか、もう1人の子は一度辞めたいって言ったことがあって
それがあってから、受け持ち患者数も少ないし、早く帰れるし・・・』
「そういうことがあったんだ。で、自分は課題は多いし帰れないしで
なんで私だけこんなに辛いんだろう・・・と?」
『はい。このままでやっていけるんだろうか・・・って』

ほら。出てきました。夏までもたない理由の端っこ。
よく聞いていくと、その人の思いがちゃんとで頭を出します。
でも、ちょっと待ってくださいな。なんか理由がアレレ?って思いませんか?
何が「夏までもたない原因なのか」が、たぶんクマ恵も明確でないのです。
これです。これが負のスパイラル思考なんですよ。
自分で気がつかないうちに嵌ってしまうスパイラルなんです。
ただ、漠然と「辛いから夏までもたない」と思っているんです。

「じゃあそんな忙しい辛い外科は辞めてローテーション希望だしたら?」
『でも、外科は好きなんです。せっかく希望で入ったし』
「じゃあプリを何とかしてもらえば?プリが変わればいいんじゃない?」
『でもすごく教えてくれる人で、最近は私の不安そうな顔をみると
”とりあえずコレだけはやってきなよ”とか範囲を限定してくれるんです』
「でもその人に言われるたびに泣くのも辛いでしょ?」
『・・・・・・』
「なんの涙なの?」
『悔し涙です。90%は悔し涙。あとの10%は悲しい涙だと思います』
「なんで悔しいの?」
『できないから。いっぱい教えてくれているのにできない、追いつけない。
先輩にダメだって思われちゃってるんじゃないかって。
呆れられちゃってるんじゃないかって思ったら、悲しくて』

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ほら・・・本当の理由が出てきました。
クマ恵はとっても頑張り屋さんなのです。
だから、先輩が教えてくれる心意気に答えたい。
でも思ったように答えることが、現状ではできていないのでしょう。
だから頑張っているけど辛い、夏までもたない・・・という言葉になる。
病棟が忙しくて、プリが怖いから夏までもたないのではなく
プリの期待に答えられない・・・このままじゃ呆れられちゃうかも・・・
このままじゃダメだ・・・このままじゃ・・・夏までもたない・・・なわけですね。

「じゃあ、クマ恵の同僚と同じように、甘やかしてもらったら?
そうしたらクマ恵が望むような状況になるのかしら?」
『・・・・・・』
「現時点では辛いよね。でも1年後の自分を考えてごらん。
甘やかされて早く帰る同僚と、バシバシ言われて勉強して頑張ったクマ恵と
1年後にたどり着くところは同じかしら?私は違うと思う。
その差は今、とてもじゃないけど見ることができない。
でも1年後を考えてみたら、どうなのかしらね?
プリだって怖いだけじゃない。厳しいくらい教えてくれる人なんでしょ?
それだけ期待してくれてるんじゃないのかな?
クマ恵のこと、呆れてどうでもいいと思っているのなら
私だったらそんなふうには関わらない。教えない。自分でやる。
そのほうが早いし正確だし、ミスだって少ないと思うから。

でもね・・・そう思っても、やっぱり辛いと思う。
だから自分がつぶれちゃうくらい辛いって思うのなら
その気持ちをプリに話すなり、誰かに話すなりしてごらん。
先輩の期待に答えられない自分が辛いですって言ってごらん。
勉強しているのに追いつかない自分が悔しいですって言ってごらん。
それでも何も変わらなかったら、またココへおいで。
私は1年後のクマ恵が楽しみだよ」

ribon4.gif

正味1時間。クマ恵、せっかく課題を調べにきたのに、ごめんね~。
課題できずに、また明日怒られるんじゃないかと謝ったら
クマ恵は、話せてよかったと言ってくれました。
ほら。こっちは何もしなくても、話を聞くだけで自力で立ち直る。
ちゃんとそういう力を持ってるんです。
頭の中が整理されると、ちゃんと行くべき方向が見えてくる。
その頭の整理のためにも、誰かに話すって大事なんです。

夏までもたない・・・その気持ちはどこまでどうなったかは不明ですが
何かクマ恵なりの突破口が開けるといいなぁ・・・と思いつつ。

まだまだ夜勤を乗り越えて、独り立ちしていくまで
森のくまさん達は大変な時期が続きますね。
でも、その辛さも糧なんだよ。

・・・そんなこと言いましても、当事者はそうは思えないですよね。
渦中にいる時は、そんな風に考える余裕がありません。
私だって「できない!辞めたい!やってらんない!」を連発してました。
みんな、みんな、怖いプリだってみんな、通った道なのです。
そう考えると、少し、ラク・・・にはなりませんね(笑)

でも1年後・・・自分はどうなっているだろうって思うことは
決して無駄ではないと思うんです。ね、クマ恵!

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Comment
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最近、以前入院していた病棟にご挨拶に行きました。久しぶりで病棟に行くと大好きな人と話した事やよくならない病状に泣いてしまった日や色々な事を思い出しました。そんな時あの時1年目だったナースが駆け寄ってきてくれました。Aちゃんって名前だった・・そうすると彼女がすごく喜んでくれて、他の当時1年目の子も呼んでくれてプチ同窓会みたいになりました。入院生活が長かった私には病棟が本当にアパートみたいでした。彼女達が1年目で一生懸命病棟に慣れ様と頑張っている姿に話しかけないではいられませんでした。私にとっても彼女達と話すことはとても有意義でした。確か入院したのは4月だったから本当にしんどい時期だったのかもしれません。私は自分の経験から夏休みを越えたら楽になるからと言いました。彼女達は本当に夏を越えて楽になったようです。辞める事もなく頑張ってナースをしています。小さなことですが物凄く嬉しい出来事でした。
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就職後、3日、3週間、3ヶ月、3年・・・。新人が壁にぶつかって例えば辞めたくなっちゃうタイミングは、3の付く時って言いますよね。SHIOが森のくまさんだった頃、たしか3日で自分の体力の限界?(物凄くパワーとスタミナが必要な会社だったので)を思い知らされ、3週間位で仕事の難しさにぶつかって・・・。
その時は「持たない・・・」とは思いませんでしたが、ある程度仕事も覚えたアルバイト期間も含めて3年位たった頃でしたかね。負のスパイラル思考と言うか、心がダークサイドに囚われた時期がありました。
職場は全員SHIOより15歳↑歳上で、ちょっと人間関係に悩んでたし、技術的にも壁にぶつかってたし、何より「ガキ」だった事もあって、「自分は会社に必要無い。仕事をする資格が無い。ここに存在する意味は無い。」なんて「ダークサイド」に行っちゃって、「そんな事は無い」と考え直しても結局「そっちの方向」に行ってしまう・・・。(親には、「顔つきがおかしい」なんて心配されましたが)
その時は、仲の良かった先輩やら友人に話を聞いて貰って(もともと余り思い詰める性分でもない事も手伝って)何とかしましたが、その後ちょっとした事情で転職して又SHIOくまになった時は、その時の経験を活かして、極力先輩(今度は年下もいましたけど)と会話して、思考を停滞させないようにして、とにかく新しい仕事に「全力疾走」を心がけて、何とか現在に至りました。(最初の会社で得た技術、経験は、SHIOのベーシックになってます)
新人さん、特に若い人は、「溜め込んで、考えすぎて、混乱して泥沼にはまる」ことが多い様な気がします。
そうならない様に、同僚でも先輩でもいいから「腹を割って話せる人」を作って会話して、「心のデフラグ」をする事が大事だとSHIOは思います。
「悩み、乗り越える」事は心のポテンシャルを上げる手伝いもしますが、過剰な負荷は、心が疲弊してしまい長続きしません。
169
> ぱのさん

「彼女達が1年目で一生懸命病棟に慣れようと頑張っている姿に話しかけないではいられませんでした」・・・素敵ですね。そうやってぱのさんと会話を交わし、頑張った新人ナースたちは、その経験があったからこそ、今でも看護師を続けているのかもしれませんものね!直接的でなかったとしても、ぱのさんはその新人さんたちの育てた人ということになりますね!
確かに・・・夏を越えたら、ある程度、楽になると私も思います。5月や6月頃に夜勤を体験し、その夜勤に慣れてなんとかこなせるようになるのは、だいたい8月から9月くらいだと思うのです。だから何とかクマ恵にも頑張ってもらいたいなぁ・・・そしてまた、夏が終わったら、ぜひ報告に来てもらいたいな~と思うのでした。
170
> SHIOさん

心のデフラグ!そうですね!ココデフ!それいただきました!大事ですね。本当に。ついつい忘れがちなんですけれど、定期的にココデフ!すごく大事だと思います。
確かに3のつく時は、あぶないですね。私も職場を変えた時、3週間くらいでまず「私、ここの仕事むいているんだろうか・・・」と不安になり、3ヶ月くらいで「こんなんでいいのだろうか?」みたいになり、3年目くらいになると「ここ私を必要としているんだろうか。これは私でなくてもいいのではないだろうか・・・」と自分の価値を疑うことがあった気がします。SHIOくまさん同様、そんな時は先輩の体験談をきいたり、同僚とよく話をして乗り越えました。結構みんな、同じような時期に、同じような悩みにぶち当たるのですね・・・。森くまさん達も、きっと同じような悩みにぶち当たるのだと思います。そんな時、ココデフのお手伝いができたらいいなとSHIOさんのコメントをみて、改めて思いました。
175
はじめまして。
記事を読んで、私もその子と一緒だったなぁとおもってコメントします。

私はナース1年目で辞めました。
あとちょっとで2年目突入というところで。
その新人の子と同じく、
朝起きられなくなったことから始まり、
最終的には朝、体が動かなくなりました。
なにも考えられなくなりました。

「仕事にどうしても来られないなら診断書を」と師長に言われ、
精神科を受診したらうつ病といわれてしまいました。

あらら。

今はそこの病院をやめ、2か月ほど休み、
別の病院で復帰していますが…

「腹をわって話せる人」…
前の病院にはそういう先輩がいませんでしたね。

仕事って、看護職って、むずかしいですね。

自分がうつ病と診断されるなんて思ってもなかったのでびっくりしたのと、
今考えるとやっぱりあのときの自分は自分じゃなかったなと思います。

そうしてしまう職場環境って怖いですね。
181
> sayoさん

はじめまして。ご訪問、有難うございます!
「私は辞めました」・・・タイトルを見て、すごくすごくその言葉を重く受け止めました。そうですよね。現実問題、辞めざるを得ない状態になってしまうことだってあるんですよね。そしてそういう人のほとんどが看護が嫌で辞めていくというのではなく、人間関係が原因となって辞めていく・・・sayoさんのおっしゃるとおり、看護職ってすごく難しいと思います。全てが関係性によって支えられている仕事なので、人の素晴らしさと同時に、人の恐ろしさも感じます。そういう職場環境・・・確かに怖いです。人を支え寄り添う立場の看護師が、人を傷つけ壊してしまうこともできる環境だともいえます。sayoさんのコメントをみてハッとさせられました。どうして人間はこんな危うい関係性の中で生きていかなくてはならないんでしょうか・・・またぐるぐる考えてしまいました。
sayoさんも、今は他の病院で復帰されているんですね。sayoさんからみてクマ恵は大丈夫でしょうか?こんな風なアドバイスがあるといいよ等ありましたら、また教えてください。
194
はじめまして。偶然こちらのサイトを見つけて以来、たまに立ち寄らせてもらっています^^


新人看護師の様子とか「確かにー・・;」と思えることが多いので、毎回更新を楽しみです。
・・というのも私自身も今年就職した新人看護師だからなのですが。

職場で何もできない自分が本当にが情けなくて悔しくて、こなしているベテランさんにため息つかれるのも陰口言われるのも怖くて思わず泣いてしまうこともあって。


いつかこの毎日に慣れるのかなぁとか、プリセプターさんみたいにしっかりとした知識と技術が身に付くのかなぁ・・とか考えてどんよりしてしまいます。


看護師っていうお仕事をずっと続けられるってことが尊敬です。もしよろしければ1年目を乗り切るアドバイスなど頂けると嬉しいです。


これからも素敵なイラストと日記楽しみにしていますね。
200
> イリさん

はじめして。コメント有難うございます。そしてこんな偏狭の地へようこそ!偶然見つけていただけたなんて、なんだか嬉しい限りですvV
イリさんはピカピカの1年生さんなのですね★職場は大変ですか?大変ですよね、きっと。でも大丈夫ですよ、イリさん。「何もできない自分が情けなくて悔しい」って思える気持ちがあること自体、立派です。きっと1年後のイリさんは、立派な2年目ナースになっていると思います。知識と技術は絶対に身につきます。人間何度か経験すれば、ほとんどのことはこなせるようになっていくと思います。たぶん入職してから、何回かこなしていることについては、もう慣れてできるようになってきたのではないでしょうか?
ついついベテランナースは森のクマさん(新人ナース)をみて「ふ~っ」とかため息をついてしまうことがあるのですが(汗)、それはイリさんに対してというよりは、「新人という対象に対して」だと思っていただくといいのではないかと思います。個人に対してという要素は少ないんですよ、意外と。そして、まだ入職して半年です。できないことなんてあって当然!知らないことだってあって当然!そのくらいの心意気で行ってください!きっと来年の今頃は、来年の新人さんに対して「ふ~っ」っていう立場になっていますよ(笑)1年後の自分を楽しみに!
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