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離床センサー

患者さんの転倒や転落を予防するために
活用される通称”洗濯ばさみ”。
患者さんの寝衣などにつけておいて
外れると、ナースコールが鳴る仕組みになっています。
つまり、洗濯ばさみ型の離床センサーです。

jiji1.gif

失見当識があり、自分の居場所が正確に認識できない患者さん
せん妄などによって、安全に対する認識が不足している患者さん
筋力低下があり危険なのに、自分で動いて転びそうな患者さん
他にもいろいろ、とにかく転倒転落防止のための防護策です。

種類はいっぱいあります。
ベッドから起き上がったことを感知するベッドマット。
頭が枕から離れたことを感知するピローコール。
ベッドから下りたことを感知するサイドコールやフロアマット。
ベッド柵につかまったことを感知するタッチコール。
車椅子などから立ち上がったことを感知するクッションコール。
動いたら直ちに教えてくれる赤外線コール。
・・・う~ん、思い出せるだけでも、結構ありますね。
(上記が正式名称なのかはわかりません。通称ですかね?)

こういうものがあると、ついつい頼ってしまいたくなります。
センサーが鳴っていないから、患者さんはベッドにいますよね?
いえいえ。患者さんの動きは、結構侮れません!

jiji4.gif

外科に入院していたWさんは、御年96歳。
お耳も遠く、看護師の説明もご理解いただけたのかどうか
あやしい感じがいっぱいでした。
「お1人ではベッドから離れないでくださいね。
転ぶといけませんので、どうぞ看護師を呼んでください」
説明しても、目を離すとベッドから離れようとしています。
「コレは危ない!」
誰もが、Wさんの転倒転落を考え、ご本人とご家族に説明し
離床センサーをつけさせていただくことになりました。

その後、センサーは反応せず、看護師たちも一安心。
しかし!私は見てしまいました!Wさんの技を!

Wさんは、看護師がきた時、必ず”洗濯ばさみ”をしています。
看護師のラウンドが終わると、Wさんは行動に出ました。

jiji3.gif

”洗濯ばさみ”を外して、枕につける。
(洗濯ばさみをひらいた状態にしておけば、センサーは感知しません)
そしてお1人で、悠々とおトイレへ。
そして戻ってくると、枕につけてあった”洗濯ばさみ”を自分の肩へ。

jiji2.gif

そして次に看護師にきた時には、何気ない顔。
もちろん、受け持ちの看護師さんは気づきません。
あっぱれ!Wさん!ビバ!Wさん!

こういう場合、果たして離床センサーは
役に立っているといえるのでしょうか・・・?

jiji5.gif

看護師は患者さんの安全を考えて
そしてもちろん、患者さんの安全の認識度なども考慮して
離床センサーをつけるのですが・・・
「事故が起きてはいけない!」というリスクを考えるあまり
本当の患者さんの理解度を低く見積もってしまいがちなのかも。
そして安全を考えるあまり、患者さんの自尊心を
尊重できずにいることもあるのかもしれません。

Wさんの一件を見ていたら
なんだか申し訳ないやら、いたたまれないやら。
それでも、離床センサーを外すという選択が
すんなりとみんなで了解できないこの現実。
なかなか難しい判断なのです。


hanans.gif

みなさんの病棟では、いかがですか?
また、どうお考えになりますか?

・・・そして一言。パソコンがノロノロでじれったいよ~(泣)

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Comment
354
おぉ~!。W爺やん、ぐっじょぶ!!。
W爺やん、現役時代は技術系?。
”洗濯ばさみ”の機能理解は、「目視確認による機能解析?」、それとも「確認実験によるDATA?」。
いずれにしても、御年96歳にしてその技は・・・恐るべし!!。
SHIOの75歳の親父を見ていると、「細い事は、よー解らん」から始まって「は~、え~。(山口弁で「どっちでも良い」って意味)」。
要は、歳を取ったら「細かい事は、気にせんでいい」みたいなんですよね。
なのに・・・96歳にして、その緻密な戦略は・・・。
SHIO。まだまだ修行が足りません。

とは言え・・・。看護師さんからすると、それどころじゃ無いですよね。
患者さんの安全性から見ると・・・。
すみません。
でも、相手は「長い人生を生き抜いてきた猛者」。
おまけに、多分「現役の自由人」。(我道を行くって事です。)
「わっぜ強か相手じゃっどん、きばいやんせ~。(鹿児島弁で、「強敵だから、がんばれ」)」
355
ヨヨコさんありがとうございます。
私は元気で生きています。
私も患者経験が長いので色々頭を使いました。
いけないこととは分かっていても出来ない患者の感情・・。
高齢と言う事ではなくて私の場合安静が必要だったからですが。
でもきつい症状がなくなると何とかしてベッドから離れる事を考えます。
コールマットまでは装着されませんでしたが・・。
歩くときはコールしてと言われていながらも忙しい時間帯だと遠慮してしまいました。
清拭も洗髪も断り続けて自力で頑張りました。
患者になってしまうのが怖いのか
はたまたただ単に退屈なのか
患者の気持ちは複雑ですが出来る事は自分でしたい、それが多少苦しいことでも・・。
そんな気持ちは常にあります。
Wさんの気持ちは勿論違うかもしれませんが・・。
でも私も一応医療従事者の端くれだからスタッフの気持ちも分かります。
患者の自分と看護者の自分の間で葛藤もあります。
でも、本当に少しでいいから患者をゆったり見て欲しいです。
うーん・・。案外患者って侮れないって思います。
356
こんにちは。いつもよく読ませてもらっています。医療の現場の方々の苦労がよくわかります。

さて、96歳のお爺さんの気持ち、わかるような気がします。実は、亡くなった父も、入院先で、トイレに行き、転んだことがあったのですが、それで医療側は過剰反応。

結局、拘束され、身の自由がなくなり、それまで比較的早く回復すると思われていたのに、急速に悪化しました。

先生方は不思議そうに語っていましたが、拘束が父の寿命を縮めたことは間違いありません。医療側の都合で、患者の自由を奪ってほしくないですね。

むしろ、患者が拘束を嫌がった場合は、患者側家族に拘束しないけれど、病院内の事故について、責任をとれないと文書を交わしておけばいいと思う。

家族が拘束を希望すれば、それはそれで仕方ないと思いますが。でも、患者は自分の命は、自分で決めたいと思っている。家族には決めてほしくない。そういう気持ちに配慮をしてほしいですね。

357
> SHIOさん

W爺さんはおそらく、「確認実験によるデータ」だと思われます(笑)
何度かナースコールが鳴ることがありましたから。たぶん「自分が動く→洗濯ばさみが外れる→音楽が鳴る→ナースが来る」という一連のプロセスを、何度か繰り返すうちにご理解されたのではないかと思うのです。「おかしい・・・俺が動いたらなぜナースがくるんだ?なぜ分かるんだ?」って分析されたのではないでしょうか!すごいですよね。すごい状況把握分析能力!侮れません!
まさに長い人生を生き抜いてきた猛者!頭が下がります。
358
> ぱのさん

お元気回復したようで!安心いたしました。
患者の立場では、自由にさせて欲しいと思いますよね・・・。ぱのさんの患者としての経験から、それがとてもよくわかります。気も遣うし、人の手は借りたくないし、待ってるのもメンドクサイし・・・いろんな気持ちが渦巻きますよね。
私も自分自身が入院した時に、「シャワーはダメだ!」と言われていたのに、勝手にシャワーに入り、怒られた経験があります。自分としては、「そんなに悪いことだと思わなかったし、入りたかったんだもん!」と思ったのですが。
ぱのさんの仰るとおり、もう少し時間をかけて患者を把握してもらえば、わかることがきっとたくさんあると思うのです。でも時間がない・・・許されない。患者経験のある看護師にとっては、まさにジレンマです!
359
> 流風さん

こんばんは!こちらこそ、「考え方」はいつも参考にさせていただいております☆
抑制は、患者さんの安全のための予防策ではあるのですが、「拘束」「自由を奪う」という反対の面を当然のことながら、持っていると思います。だから医療者は、絶対にその事故防止の裏に隠された、反対の面を忘れてはいけないと思います。それでも事故が怖くて、医療者側が過剰に抑制をかけてしまうことが・・・やはりないとはいえないと私も思います。「患者さんのためを思って」という抑制は誰のためのものなんだろう・・・。患者さんのため?家族のため?それとも医療者のため?
安易な「事故防止」という理由の裏にある、抑制が与える影響や患者さんの気持ちの尊重については、本当にもっと慎重に考えなくてはならないな・・・と改めて思いました。
貴重なコメント、有り難うございました!
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