スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
他人でよかった

「亡くなる患者さんと接するとき
他人でよかったと思う」

こういう風に表現すると
なんだか親身ではない看護師のように
捉えられてしまうかもしれませんが
看護師という立場の他人でよかったと思います。

houtai4.gif

* * *

少し
おばあちゃんの話をしたいと思います。

私のおばあちゃんは日曜日の朝方に
天国に旅立ちました。
前日の夜は、普通でした。

日曜日の朝に
死戦期呼吸のおばあちゃんを発見して
私は自宅のベッドでCPRをしました。

今までたくさんの人のCPRをしてきたのに
家族の立場でのCPRは手が震えました。

結局、おばあちゃんは天国に行ってしまいました。

おばあちゃんの死は
私にとってはじめての身内の死でした。
それからしばらくは、そのことを思い出すと
胸が詰まるような、苦しいようなことが多くて
同じような年代の患者さんをみると
涙がでてきてしまって大変でした。

よくよく考えてみれば
亡くなる日の前日、おばあちゃんはなんだか
いつもに増して、感謝の言葉を述べていたような気がします。
おばあちゃんの介護をしていた母も
今日はなんだか妙にしおらしい、と言っていた気がします。

「どうして前日、その変化に気づけなかったんだろう」
「どうして日曜日の朝、もっと早く気づかなかったんだろう」

CPRをしている途中、
直感的に「あ、これはダメかも」と思いました。
一度、途中で止めて瞳孔を見ました。
瞳孔は散大傾向で、一瞬迷いましたがCPRは継続しました。

「どうして途中でダメなんて思ってしまったんだろう」
「どうしてCPRの継続を迷ったんだろう」
「CPRをすることが、本当に良いことなんだろうか」
「蘇生後脳症になってしまったらどうしよう」
「それでおばあちゃんは、家族は幸せなんだろうか」

迷い迷ってCPRを続けていると、救急隊が到着しました。

病院でおばあちゃんの心拍は一度、再開しましたが
結局その後、停止してしまいました。

「人が死ぬことって、こんなにツライし悲しいんだ!」

今まで救命救急センターで
たくさんの人の死を目の当たりにしてきたのに
私はここで初めて、人が死ぬということの
意味の重さを実感しました。

だからこそ、
亡くなる患者さんに接するときは
他人でよかったと私は思うのです。

もしも、おばあちゃんの死と
まったく同じように受け止めて
同じ感情に飲み込まれてしまったら
患者さんや家族のケアを冷静にすることが
できなくなってしまうと思います。

他人という立場の看護師だからこそ
できる・・・ということがあります。
家族ではない、身内ではないからこそ
できる、対応できることがあると思います。

反対に、家族でなくてはできないこと、
身内だからこそできることがあります。
同時に、家族だからこそできない、
身内だからこそできないことがあります。

「所詮、他人だから」
というのではありません。
「看護師だからこそ他人でよかった」
と思うのです。

houtai.gif

表現が難しいですね。
うまく伝わるでしょうか。
誤解されてしまいそうですが・・・。

先日、緩和ケアで働く先輩ナースも
同じような気持ちでいることを知りました。
そして私自身、なんだかホッとしました。

houtai2.gif

そういえばジャンケレヴィッチという人が
死の人称性という概念を提唱していましたよね。

一人称の死は自分の死。
二人称の死は身内や親しい人の死。
三人称の死は他人の死。

そして柳田邦男さんは、二.五人称の死について語られてましたね。

身内ではないけれど、他人ではない。
この二.五人称の関係。
看護師はこの視点なのかも知れないですね。

houtai3.gif

人はいつか死ぬものだから。

スポンサーサイト
Comment
684
私は緩和ケアの分野に就きたいと思うし、興味があって講座も受けてます。


でも、まだ身内の死に立ち会ったことがないんです。

それが余計に怖くて、でも仰るように看護師という他人だけど他人じゃなくて、身内ではないけど、身内のような立場が大切だと思います。

肝に銘じておきたいことですよね。

勉強になりました!
ありがとうございます(^^)
685
このコメントは管理人のみ閲覧できます
686
このコメントは管理人のみ閲覧できます
687
> ゆきさん

今更のお返事で大変申し訳ありません(焦)
見ていただけるといいんですが・・・(謝)
緩和ケアの分野に就きたいとのこと。すばらしい志だと思います。
身内の死に立ち会ったことがなくても、患者さんが教えてくれると思います。
ぜひぜひ頑張ってくださいませ!
688
> 8/13 secretさん

「他人でよかった」という言葉は、確かに表面上は誤解を招きそうですよね。
「他人でよかった」という言葉の後ろ側には、今までに関わってきた患者さんとのやりとりや、自分を支え成長させてくれた人々との経験がたくさん詰まっているんですよ~。
それを感じ取っていただければ幸いでございます☆
689
> 8/16 secretさま

「神様のカルテ」は読みましたよ~。
今度、感想など、あげてみたいと思います!
有難うございます。
コメントを投稿する
Trackback
trackback URL
→http://inkdrinker.blog6.fc2.com/tb.php/251-8d2e5005
TOP
preface


welcome
ご訪問いただき有り難うございます。当ブログはナースyoyocoの日常を綴った”勝手に看護覚え書”です。ほぼ自己満足で出来上がっており、医療に役立つ内容にはなっておりません。日々働く中で考えたこと、感じたこと、そして周りの楽しい仲間達について、私的視点から描いています。興味のある方はどうぞご覧ください。

Attention
画像と文章を無断で使用することはおやめくださいませ。下手なりに一生懸命描いております。

what's new
memo


更新速度停滞注意報発令中!
コメントや拍手をくださる皆様、有り難うございます。仕事の都合上、お返事が遅れてしまう場合が多々ありますが、気長にお待ちいただけると嬉しいです(汗)本当に申し訳ございません。陳謝!

ログ部屋建設計画・・・頓挫中。

link



★Inexperienced worker★
音楽好きのお友達アッキーのブログ。

counter

timer


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。